干支(えと)は、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせた60通りの周期「六十干支(ろくじっかんし)」として構成されています。古代中国で生まれ、日本の暦や占い、方位、年号などにも深く関わってきた伝統的な暦法です。

十干(じっかん)とは?

十干は、次の10種類の要素から成ります。

  • 甲(きのえ)
    … 甲は「木の陽」、大木や若木が空に向かって伸びる姿を表します。新たなスタート、誠実さ、まっすぐな志に縁あり。まさしく、はじまりのエネルギーです。
  • 乙(きのと)
    … 乙は「木の陰」、芽吹きや蔓草など、繊細で柔らかな成長を象徴します。工夫や粘り強さ、丁寧な積み重ねに御縁があります。
  • 丙(ひのえ)
    … 丙は「火の陽」、太陽のように明るく、万物を照らすエネルギーを示します。開放、表現、活躍のタイミングに縁深いです。
  • 丁(ひのと)
    … 丁は「火の陰」、灯火や情熱を内に秘める性質を表します。やさしさ、内面のあたたかさ、気づきに通じます。
  • 戊(つちのえ)
    … 戊は「土の陽」、山や高台のようにどっしりと構える力を持ちます。信頼、支え、基盤を固める縁に満ちています。
  • 己(つちのと)
    … 己は「土の陰」、田畑や肥沃な大地のイメージ。内面を整えて、細やかな配慮と準備に向いています。
  • 庚(かのえ)
    … 庚は「金の陽」、鉱石や金属を意味し、変化や鍛錬を表します。改革や覚悟、新しい形を築くとされます。
  • 辛(かのと)
    … 辛は「金の陰」、刃物や宝石を表し、洗練や終わりと始まりの節目に通じます。区切りや整理に向いています。
  • 壬(みずのえ)
    … 壬は「水の陽」、大河や海といった広がりある水を示します。自由、知恵、育成にまつわる縁をもたらします。
  • 癸(みずのと)
    … 癸は「水の陰」、雨や露といった細かな水の象徴。内省や学び、見えない力を養うタイミングです。

十干は五行(木火土金水)を「陽(え)」と「陰(と)」に分けた10の要素です。たとえば「甲」は木の陽(きのえ)、「丁」は火の陰(ひのと)を意味しています。

十二支(じゅうにし)とは?

十二支は、次の12種類の動物や象徴から構成されています。十二支は、ただの動物の表しではなく、それぞれが自然界や人の営みの一面を映す象徴です。日々の干支に触れることで、自分のリズムや周囲の流れにも敏感になっていくことでしょう。

  • 子(ね・ねずみ)
    … 子は「種子」の象徴。生命が内に宿り、静かにエネルギーを蓄える段階です。準備・計画・発想の御縁を持ちます。
  • 丑(うし)
    … 丑は「芽が土中で動く」時期。進みは遅くとも着実に物事を進める力があります。辛抱強さや努力に通じます。
  • 寅(とら)
    … 寅は「勢いと躍動」の象徴。新しい動きを呼びこみ、物事を押し出す力があります。挑戦や始動の御縁があります。
  • 卯(う・うさぎ)
    … 卯は「調和と交流」の象徴。物事を柔らかく広げ、周囲と結び合う力を持ちます。出会いや社交に御縁があります。
  • 辰(たつ)
    … 辰は「勢いが高まる」象徴。目に見えぬ力が動き、大きな変化や飛躍をもたらします。発展・繁栄の縁起があります。
  • 巳(み・へび)
    … 巳は「変容」の象徴。蛇が脱皮するように、知恵と柔軟性で自らを更新します。再生・知識・学びに御縁があります。
  • 午(うま)
    … 午は「陽が極まる」時期。明るく活発なエネルギーで、行動・成果・注目に縁があります。勝負どきです。
  • 未(ひつじ)
    … 未は「成熟と調和」の象徴。人との協調や支え合い、心の安定に通じます。優しさと慈愛にあふれています。
  • 申(さる)
    … 申は「物事の収束」に向かう段階。知恵・器用さ・応用力が発揮されます。工夫・転換期に縁があります。
  • 酉(とり)
    … 酉は「実りと収穫」。果実が熟すように、努力が形になる時期です。完結・評価・表現に関係があります。
  • 戌(いぬ)
    … 戌は「終わりと整頓」の象徴。役目を終えたものを見届け、次の段階へ進むための区切りを担います。清算・保守・責任感に通じます。
  • 亥(い・いのしし)
    … 亥は「勢いを蓄え、まっすぐ進む力」の象徴。迷わず動くイノシシのように、再始動や集中に強さを発揮します。

それぞれの干支は、動物や時間帯・方角・季節の象徴としても知られており、「午前」「酉の市」「辰巳の方角」といった文化的な表現にも今なお使われています。

六十干支(ろくじっかんし)とは?

十干(10種類)と十二支(12種類)を順に組み合わせていくと、60通りの干支ができます。これが「六十干支」と呼ばれるものです。

たとえば最初の組み合わせは「甲子(きのえ・ね)」、次は「乙丑(きのと・うし)」、その次は「丙寅(ひのえ・とら)」……というふうに、十干と十二支を順繰りに組み合わせていき、60番目で一巡します。

六十干支は、暦の中で「日干支」「月干支」「年干支」として使われ、日々の運気や周期性を知る手がかりとなります。干支カレンダーでは、これらの干支を日ごとに確認することができます。

干支は、ただの暦じゃありません!

十干十二支は、動くべき「とき」を鋭く教えてくれます。迷ったとき、動くタイミングを知る者は、強い。その一手に干支の力を借りるのは、鋭い選択です。

「今日の干支を知る者が、今日を動かす」

干支カレンダーは、あなたの背中を押してくれる味方です。あなたの1日が、干支とともに、しなやかに、力強くめぐりますように。